あの日――
夢と2人でクリスマスツリーがある公園に行くことになった。夢がどうしても見たいからって。
私もクリスマスの雰囲気を味わいたくて、夜の公園に行きたくなった。
そのツリーは、キラキラ輝いてて、すごく綺麗だった。


私達は、ニコニコ笑いながら未来のことを語った。
夢は、保育士さんになりたいって。
私は……お嫁さん。
好きな人を聞かれて困ったけど、湊君の名前は出せなかった。


そこまでは楽しかったのに、その帰り、はしゃいでいた2人の体がぶつかってしまい、バランスを崩した夢が階段から落ちてしまった。


近くにいた人が、私の叫び声を聞いて集まってきてくれた。救急車を呼んでくれ、夢に声をかけてくれた。なのに、私は何もできなくて、ただ泣くしかなかった。


大好きな夢に何かあったらどうしよう。
さっきまで笑顔で将来のことを語り合ってたのに。
怖くて怖くて、体中が震えた。


何気ない日常が、一瞬にして、粉々に砕け散ってしまったんだ。