相変わらず、私は毎日夢の病室に通ってる。
両親に心配かけたくないから、学校にも行くようにした。
湊君は相変わらず優しくて、笑わない私に一生懸命声をかけてくれるけど、やっぱりそれに甘えることはできなかった。


湊君の告白、今でも信じられない。
思い出すとドキドキして……
あの時、本当は「私も」って、言いたかった。
言えたらどんなに良かったか。


「夢さん。検査に行きますよ」


「は~い。よろしくお願いします」


病室に入ってきた看護師さんに、夢はとても可愛く笑った。それは、私には決して見せない顔だった。


「桜さん。夢さんの検査は1時間以上かかるから、今日は帰った方がいいですよ」


「あっ、はい、わかりました。じゃあね、夢。先に帰るね」


「うん、またね、桜」


今日初めて口を聞いてくれた。
2人きりの時には夢の声、一言も聞けなかった。
私だけが、一方的に話してて。