後輩くんはいつも私と一緒にいたい

私と玄野くん2人に囲まれる格好になり、
凪咲は少し居心地悪そうだった。



身長170cmの私と、
それよりさらに高い玄野くんに対して、
凪咲は
150cmもない小柄な女の子である、
圧迫感を感じるのかもしれない。



凪咲は
しばし唸るような声を漏らした後、



「違うの」



と頭を抱えるようにして答えた。



「話自体は、全然フツーの話。
 確かほら、
 生徒会室から見えるナントカって山に、
 ハイキングに行ったとかって」

「ハイキング……
 あぁ、げんこつ山のこと?」



凪咲の答に、
私も思い出して頷いた。



生徒会室の窓から1つの山が見えた。



正式な名称は知らないけれど、
私は子供の頃その山でよく遊んでいて、
その時にたまにタヌキを見たことから、
童謡の歌詞とリンクさせて
「げんこつ山」と呼んでいたのだ。



玄野くんをその山に連れて行ったのは、
生き物や植物の観察をするためだった。



勉強のとっかかりになるような、
何か玄野くんの興味を引くような
何かがあったらいいなと、
ハイキングがてら
山まで足を運んだのだ。



その山を生徒会室から見て
懐かしい気持ちになり、
そのことを少し凪咲に話したのだ。



思い出した。