後輩くんはいつも私と一緒にいたい

しかし凪咲は急にしどろもどろになり、



「あ、いや……話してたって言うか……」



と目を泳がせる。



この凪咲のリアクションに、
逆に何かを察したとばかりに
玄野くんは目を半眼にし、
大袈裟な仕草で何度も頷いた。



「さては先輩、俺について
 変な悪口言ってたんでしょう?
 昔は掛け算もできなかったとか、
 眉毛がなかったとか」

「は? 掛け算? 眉毛?」



何それ、とばかりに凪咲が眉間を縮め、
玄野くんを見上げた。



「え、違いました?」

「違うも何も……
 そもそもミコトは人の悪口なんて言わない」



玄野くんが私を見た。



「もしかして俺、墓穴掘った?」

「かもね」

「うーん……
 先輩のこと、
 もっと信じとくべきだったか」

「1年のブランクは大きいねぇ」

「でも、だったら先輩は
 何の話をしたわけ?」

「え、わかんない。なんだろ?
 ねえ凪咲、私、何言ったっけ?」



今度は私から凪咲に改めて尋ねた。