後輩くんはいつも私と一緒にいたい

二人で手分けをすると、
かなり長く続いていた列は
大分早く消化が進んだ。



玄野くん様々である。



それにしても……と、
新入生たちの列を挟んで
向こう側に立つ玄野くんをチラッと見、
次いで新入生たちを見る。



視線のほとんど、
とりわけ女子たちの目は皆、
玄野くんに奪われているようだった。



それはそうだろう。



何せこのイケメンぶり。



正直、私もびっくりしていた。



中学3年生の時、
私はほとんど毎日玄野くんと
顔を合わせていたけれど、
イケメン、
というイメージは
これっぽっちもなかった。



勉強を教えるようになり、
打ち解けるようになってからは、
意外とよくしゃべるし、
意外とよく笑う子なんだな
とは思うようにはなった。



笑うと案外可愛いんだな
とも思った。



でも普段は睨みを利かせながら
人としゃべるような子で。



だけど不良タイプの子と
つるむようなこともしてなくて。



ヤンキーというよりは
一匹狼という感の強い子だった。



そんな子が、である。



この1年で、この化けっぷり。



あの一匹狼の正体が、
この爽やか系イケメンだったとは、
当時の彼を知る人たちほど
想像だにできなかっただろう。



成長期ってすごいな。



私は感心する前に
しみじみとため息を
ついてしまいそうになる。