モブA「お二人さん。暇そうだし、一緒にお茶しようよ!」
モブB「俺らが奢るからさ?どう?そこのカフェとか」
叉優「えっと…」
魅麗「お断りします。待ち合わせしてるので」(ズバッ)

緩やかな時間が流れる日曜の昼下がり、広場の噴水で楼成と黒子を待っていた魅麗と叉優は、所謂ナンパをされていた。戸惑う叉優に比べ、魅麗はバッサリと相手の言葉を切り捨てる。そんな態度をされても尚、粘り強くお茶を誘ってくる相手に、そろそろ警察を呼ぶと脅そうかと思った時だった。痺れを切らした相手が、立ち去ろうとする叉優の腕を掴んだのだ。どんな無神経な人間でも、見知らぬ相手に腕を掴まれていい気はしない。おまけに相手は典型的なナンパ男。振り払おうと力をおこめるが、男性の握力に適うことはなく、どうしようかと思っていた刹那

「「俺の連れに何か用?(イケボォ)」」

数分前に、遅れると自分たちに連絡をいれた二人が目の前に立っていた。黒子が黒い笑み(少なくとも自分達にはそうみえる)を貼り付けたまま叉優の腕を掴んでいた男の肩に手を置いていた。楼成は魅麗の肩を抱き、男達を睨みつける。

黒子「…まだ、何か用がある?」

笑いかける黒子の目は暗いまま、笑っていない。2人に睨まれたことにより怯えた男達はなんでもない、と一言投げ捨てて去っていった。

黒子「…あんな奴ら今どきいるんだね。連れ込まれてなくて良かった」
楼成「……大丈夫?」

すっかり威圧感を無くした2人は各々好きに喋りだす。切り替えが早いんだな、と場違いな事を考えていた叉優は、一拍おいて礼を述べた。それに続いた魅麗は、思い出したように2人に問うた。

魅麗「…普通に話しかければ良かったのに、なんでわざわざ彼氏面したの?」
黒子「……あーー」

目線を外す黒子とキョトンとする楼成に交互に視線を動かし、次の言葉を待つ。口を開いたのは黒子だった。

黒子「…なんて言うんだろ、経験上?色々あってナンパ撃退のシチュエーションしたことあってね…」
3人「「「……あぁ(察)」」」

一方その頃の璃百と椿月(2人は別の場所で待ち合わせ)

モブP「お嬢ちゃん達可愛いねぇ!一緒にお茶とかどう?」
椿月「……あ゛?」
モブP「ナンデモナイデス、スイマセンデシタ」
璃百「つ、強い……w、彼氏にしたいわ」

──椿月が強すぎた

(ちなみにナンパ撃退シチュエーションとは、黒子の所属しているグループが(強制的に)恋愛ゲームのキャラになったことがある、ということから経験上、となっています。あんまり気にしないで)