肩口に当てられた凛の手に力がこもり、その指が肩に食い込んでいく。


「……っ」


鈍い痛みを感じ、おれは凛から唇を離した。


「おま……っ、何を!?」


手の甲で唇を抑えながらおれから身を離そうとする凛。


でもおれはそれを許さず、ネクタイを握り締めたまま腕を掴む手に力を込めた。