「なんで?」

「いや、ちょっと体調が…」

「え!?」


こめかみを押さえながら答えると、凛がその綺麗な顔を歪ませ、心配そうにおれの顔を覗き込んできた。


「大したことねぇから」

「保健室行くぞ」

「え?」

「悪化したら大変だろ」


そう言って凛はおれの腕を強く掴むと、移動教室先とは反対の保健室へと向かって歩き始めた。