「始まったなぁ。」
私、小林由良の声は相変わらずモノクロの空に吸い込まれた。「そうだねぇ。」そんな声がまた右から、またその右奥からハモって聞こえた。「あはははは!」この声もモノクロ空に吸い込まれる。私の隣には頭が中学校のころから良かった男友達の佐竹春樹。そしてその奥には珍しい無鼻症の鈴木明菜がいる。相変わらず無口で私の左隣を駅から歩いてる橋田波留がいる。波留は昔から構音障害でうまく言葉が発音できなくてよく小学校で馬鹿にされてたなぁ。なんて思いながら私たち4人は新たな入学先、神馬高校にむけて駅から歩みをすすめる。


きっと、これから、私たちは、大きな大きな、展開が、待ち受けて、いるだろう。でも、私たちなら、



       「大丈夫。」