一途で嘘つきな先輩は、私を溺愛してきます。

「なにって……、キス。」





優しい声で言う。


「なんでキスするんですかっ………」


「キスしたいから」



ううっ………

何言っても聞かないっ………、


「………っ、つ、離してぇ……っ」

でも前からも横からも後ろからも逃げられない状態。

胸を叩く。

「……離さない。」



心無しから強まる抱きしめる力。

………?会長さんの顔…、悲しそう……

「…………っ、やめてっ………」

「………、かわいいね。」
何言ってんのかよくわからないけど離してくれた………。


「なんで………こんなことするんですかっ……?」
堪えていた涙が1粒流れる。

キスもハグも………
ほぼ初対面なのにっ………

「う、…………え………っ、ふ」

「あーあ。顔ぐちゃぐちゃ……」



「会長さんのせいだもんっ……!」
わたしの涙を大きい手で拭う。


1度キッと睨んで、
「か、彼女なんて……お断りですっ!」

「ふーん………やっぱり覚えてないんだね」


??

怪しい笑みを浮かべ、口角を上げる会長さん

「えっ…ちょ、きゃっ……」

私……教卓に押し倒されて、る?
両腕を捕まれ固定されて何も出来ない。

足をじたばたしても意味なし。


むしろそうしたらスカートが引っかかってっ………、見えちゃう見えちゃう〜っ……

「付き合わないと、……色々大変だよ?俺が女に言いふらしたら……、花の高校生活……台無しだね?」

ニッコリ笑う会長は完全なる悪魔。


この人完全にモテるよね………だとしたら私、言いふらされたら終わりじゃないっ……!!??

「なんでわ、私あなたのこと好きじゃないっ…………!」

「堕ちるよ、絶対に。」


「……」