ゆっくりと目を開ける。
ボヤけた目と頭を左に向けると優しい課長の笑み。
「ここは…天国」
「本当にお前の頭の中はお花畑だな」
そのイラッとする言い方!
右にゆっくり頭を向けると微妙な顔を浮かべる蒼真の顔。
「こっちよりこっち」
左を向こうとすると頭を押さえ付けて課長の方を向かせてくれない。
「お前さぁ、状況分かってる?刺されたんだぞ!」
怒ってるのか…
焦ってるのか…
分からない蒼真の顔に少し罪悪感がつのる。
「しかし遊佐はホントに強運の持ち主だな。今どきあんなの持ってるか?」
ベッド脇に無惨にも破壊された蒼真から無理矢理?貰った電子手帳。
「まあ何かあった時の為に仕込んでました」
ははっと笑うと脇腹の痛みに顔を歪めた。
刺さった場所に電子手帳にお財布とご愛読中の文庫本を忍ばせてはいたけど小説や漫画のように上手いように行くわけがない。
「もう無茶はするなよ」
課長は苦笑いをした。
「彼女…案外、力強かったですね」
掠めた程度かと思いきや意外に深めにペティナイフは刺さったらしい。
「笑えないだろ。場所が少しでもずれてたらヤバかったんだぞ」
手術が終わり麻酔から目覚めた私の目の前には天使と悪魔が右と左に鎮座してる。
「二人共すみません…」
「まあゆっくり休暇とは行かないか。今回の件は公になるか分からない」
(隠したいって事ね)
峯岸さんの父親が代議士と言う事もあるんだろう。
顔を曇らせた課長は「弁護士が来ると思う」と続けた。
「来ても構いませんよ。事件にしようとも思ってませんし…彼女には何処かへ島流しになって貰います」
島流し(国外追放)とそれ相応の対処と彼女のケアをお願いしたい。
「彼女は警察で罰せられるより蒼真と二度と会えない方が一番の罰かと」
あれだけ好きだったんだから彼女にとっては一番の苦痛だと思う。
「後はそれなりにお金貰います!!」
「お前らしいな!俺、安心して会社辞めれるわ」
そうだった…課長は私が退院する頃には有給消化でもう職場に居ない。
「俺、ちょっと電話してきます」
「蒼真?」
黙って立ち上がり私に“頑張れ”と耳元で囁いて出て行った。
「急にどうしたんだアイツ」
告白のタイミングをくれたんだと思う。
胸がザワついて言葉が出にくい。
でもここで言わないとそれが一番の目標で…
(出て行った蒼真の方が気になる…?)
「遊佐?」
「あの…」
きっと今の私の顔は複雑な表情だろう。
「わた、私…課長が好きでした。ずっと」
やっと出た言葉に少し胸が痛い。
課長も小さな目を見開いて私を見てる。
「そか」
ふわっと優しい笑顔になり横になる私の頭を撫でてくれる。
「ハハッ!過去形だな。でも嬉しいよ。ありがとう」
撫でられる手が優しくて涙が溢れる。
入社当時からの思いが走馬灯のように頭の中を巡り声を上げるほど泣いた。
「今は思うやつ居るだろ?どうも思わない男の為に普通刺されないよな」
大泣きの私とは真逆に大笑いの課長に大きく頷いて「秘密です!!」と鼻水まみれになった。
「お前らなら大丈夫」
謎の太鼓判を課長に押され泣き続ける私の涙と鼻水を拭い続けてくれた。
ボヤけた目と頭を左に向けると優しい課長の笑み。
「ここは…天国」
「本当にお前の頭の中はお花畑だな」
そのイラッとする言い方!
右にゆっくり頭を向けると微妙な顔を浮かべる蒼真の顔。
「こっちよりこっち」
左を向こうとすると頭を押さえ付けて課長の方を向かせてくれない。
「お前さぁ、状況分かってる?刺されたんだぞ!」
怒ってるのか…
焦ってるのか…
分からない蒼真の顔に少し罪悪感がつのる。
「しかし遊佐はホントに強運の持ち主だな。今どきあんなの持ってるか?」
ベッド脇に無惨にも破壊された蒼真から無理矢理?貰った電子手帳。
「まあ何かあった時の為に仕込んでました」
ははっと笑うと脇腹の痛みに顔を歪めた。
刺さった場所に電子手帳にお財布とご愛読中の文庫本を忍ばせてはいたけど小説や漫画のように上手いように行くわけがない。
「もう無茶はするなよ」
課長は苦笑いをした。
「彼女…案外、力強かったですね」
掠めた程度かと思いきや意外に深めにペティナイフは刺さったらしい。
「笑えないだろ。場所が少しでもずれてたらヤバかったんだぞ」
手術が終わり麻酔から目覚めた私の目の前には天使と悪魔が右と左に鎮座してる。
「二人共すみません…」
「まあゆっくり休暇とは行かないか。今回の件は公になるか分からない」
(隠したいって事ね)
峯岸さんの父親が代議士と言う事もあるんだろう。
顔を曇らせた課長は「弁護士が来ると思う」と続けた。
「来ても構いませんよ。事件にしようとも思ってませんし…彼女には何処かへ島流しになって貰います」
島流し(国外追放)とそれ相応の対処と彼女のケアをお願いしたい。
「彼女は警察で罰せられるより蒼真と二度と会えない方が一番の罰かと」
あれだけ好きだったんだから彼女にとっては一番の苦痛だと思う。
「後はそれなりにお金貰います!!」
「お前らしいな!俺、安心して会社辞めれるわ」
そうだった…課長は私が退院する頃には有給消化でもう職場に居ない。
「俺、ちょっと電話してきます」
「蒼真?」
黙って立ち上がり私に“頑張れ”と耳元で囁いて出て行った。
「急にどうしたんだアイツ」
告白のタイミングをくれたんだと思う。
胸がザワついて言葉が出にくい。
でもここで言わないとそれが一番の目標で…
(出て行った蒼真の方が気になる…?)
「遊佐?」
「あの…」
きっと今の私の顔は複雑な表情だろう。
「わた、私…課長が好きでした。ずっと」
やっと出た言葉に少し胸が痛い。
課長も小さな目を見開いて私を見てる。
「そか」
ふわっと優しい笑顔になり横になる私の頭を撫でてくれる。
「ハハッ!過去形だな。でも嬉しいよ。ありがとう」
撫でられる手が優しくて涙が溢れる。
入社当時からの思いが走馬灯のように頭の中を巡り声を上げるほど泣いた。
「今は思うやつ居るだろ?どうも思わない男の為に普通刺されないよな」
大泣きの私とは真逆に大笑いの課長に大きく頷いて「秘密です!!」と鼻水まみれになった。
「お前らなら大丈夫」
謎の太鼓判を課長に押され泣き続ける私の涙と鼻水を拭い続けてくれた。



