彼をその気にさせる方法~ヤツと私の甘恋戦争。そう簡単には勝敗つきません~

(下腹部に感じる痛みは…やった証拠?)

あのままキスの気持ち良さに目を閉じたまでは覚えてる。

(痛かった記憶もある…)

隣で寝てる蒼真が一定の寝息を立てていつもは綺麗な男の顔が今日は幼くみえて可愛いとすら感じる。

「怪我大丈夫だったかな…」

私の声に軽く目を開けるような仕草を見せたけどまた目をつぶり私を抱きよせて髪に顔をうずめた。



「遊佐〜。お昼行くか?」

「えっと…はーい行きます」

課長との間違った噂は周り浸透していて私に誰も興味を示さない。

「課長、俺も」
「伊月主任、ダメですよ〜。二人っきりにしてあげないと」

立ち上がった蒼真はピクッと綺麗眉を動かしまた席に座り彼女達の相手を始めた。

「伊月〜!すまんな。ははっ」

最近の蒼真は何かにつけて私と課長の間に入ろうとする。

「課長、変に思われますよ?ただでさえ迷惑かけてるのに」

「気にするな!俺的には面白いから」

面白いとか言っちゃう前向きな所も良い!

社食の本日のお勧めミックスフライランチと和風ハンバーグを頼んでそれぞれのお膳を持って席につく。

「そうだ。今晩アンナグランデで打ち合わせあるんだけど行くか?担当に会わせてやるけど」

「アンナグランデリゾート?!」

海外でも有名な高級ホテルを主に持ちリーズナブルな一般層向けのホテルやビジネスホテルまで幅広く取り扱ってる大手企業。

最近不動産関係でうちと取り引きを始めたばかり。

「行きたいです!!でも課長と蒼真が担当ですよね?」

和風ハンバーグを口に運び咀嚼する。

「伊月も半年すれば海外事業部に戻るからな〜。遊佐が担当と顔見知りになってた方が良いだろ?」

半年後には蒼真も居なくなる。
会社は一緒だけど階が違えばそう簡単に会う事は無い。

「ははっ寂しそうだな」

「そんな事ないですよ!!清々(せいせい)します」

清々は言い過ぎたかな…
ほんの少し?寂しいような気もする。

「ふーん」

意味ありげにニコッと笑うから私は意味なくニコッと笑う。

「俺はこのまま外回り行くから後で連絡する。あっ、伊月には俺から言っといてやるよ」

美味しそうにアジフライを頬張ってご飯をかき込んだ。

(ちょっと気まずかったから良かった)

あの日眠る蒼真の腕から抜け出して自宅に帰りその後蒼真の出張でメール連絡のみになってた。