彼をその気にさせる方法~ヤツと私の甘恋戦争。そう簡単には勝敗つきません~

「何だこれ」
「蒼真が私に絡みまくった結果だよ」

とあるリストとは…

「恨みを買われてるの!!見てここ!!」

一番大事な部分をバンと叩いて蒼真に詰め寄った。

私への誹謗中傷と何処で撮られたのか分からない蒼真と私の100%加工された写真。

「千波が俺にストーカーしてる?」

「恨みに妬みの言葉の後にね」

チッと舌打ちしてテーブルに置いた

一斉送信されたメールは皆んなに見られる前にSE(システムエンジニア)の部署にいる璃子の彼氏が早急に削除してくれた。

「危うくストーカーいや犯罪者になるとこだよ!!」

ケーキだけじゃ済まず一緒に買って来た缶ビールのプルタブを一気に引いた。

「まあ課長に見られなくて良かった…」

それが一番心配だった事。
女の人達に恨み買うのはどうでも良い。
でも課長にだけは勘違いされたくない。

「また課長かよ」

「当たり前でしょ?好きなんだから」

今さら隠す必要も無い。
堂々と言いきって缶ビールを喉にグイグイ流していく。

「そうだったな。まあ俺がどうにかする」

少しイライラぶつけ過ぎた?
暗すぎる表情はいつもの蒼真らしくない。

「探って張本人を問い詰めるから大丈夫」

ドンと自分の胸を叩いてみせる。

「いや。まじで危ないからやめとけ」
「私だって探れる!」
「やめとけ。つーかビールも」
「自分が飲めないからって取らないでよ」

まだ薬を服用中の蒼真は飲酒は禁止中。

奪い返そうとするけど座った状態じゃ身長差と比例した腕の長さに無惨にも取り返せず…

「あ、とっっと…」

急に立ち上がった私の足は痺れて蒼真の方になだれ込んだ。

ポスンと言うのが合ってる。
胡座をかいた蒼真の腕の中は私にジャストサイズで立ち上がろうにも痺れて立てない。

「頼むから。探すのやめろ」

珍しくお願いされるけど売られた喧嘩は買わないと性にあわない。

「だから!だいじょ…」

最後まで言わせて貰えず蒼真の泣きぼくろが近くに見えた。

蒼真の長いまつ毛が近い。
唇に柔らかい感触…

「目くらい閉じろ」

「…なんでキ…ス。…んッ」

されるがままの柔らかい感触が今度は少し角度を変えて深くなる。

「そ…ま?」

途切れるキスの間で問いかけるけどすぐ消されて、

「うるさい黙れ」

言い方は優しくないのにキスは優しくて頭の中の疑問は都合良くメールの話は飛んでいた。