彼をその気にさせる方法~ヤツと私の甘恋戦争。そう簡単には勝敗つきません~

「千波寒い」

シミひとつ無い綺麗な背中にドキドキする気持ちと緊張感でいっぱいになる。

「あぁごめん」

お風呂のお湯を桶ですくい大きな背中に掛けた。

(ドキドキ禁止!ゆっくり優しく…)

ボディソープをたっぷりとタオルに落とし軽く泡立てて首筋からどんどん下りて行く。

「ストレートの髪って羨ましい」

先に髪を洗ったのか濡れてる髪は真っ直ぐで綺麗。

「お前もじゃもじゃだもんな」

「もじゃもじゃって…」

緩くではあるけど天パの私に反論は出来ず強めに背中をゴシッとやってやる。

「いてぇーよ!!」
「ぎゃあああ!!やめてよー」

シャワーのザーッと言う水音が頭を直撃。
全身びしょ濡れの私はヤケくそになってゴシゴシと繰り返し洗ってやる。

「お前ー!!俺、病人だぞ?!」
「知るかー!!」
「そんなだから課長に一緒に住めって言われるんだよ」
「今はそれ関係ないじゃん!!」

蒼真と私のお風呂戦争の軍配は蒼真に上がり…

「大人しく入れよ」

仕方なく服を着たまま広い檜風呂に口元まで浸かり“ブクブク”と息を吐いた。

「あっち向いてよ!!」
「それ俺のセリフ」

服を脱ぐなんて絶対出来ず蒼真と向かい合わせでお湯に浸かる。

「お前下見るなよ」
「見ないわよ!!」

湯船にタオルを付けたくない蒼真は全裸状態でお湯に浸かってる。

「貧乳丸見えだけどな」
「うるさい!!見るな」

ピンクのブラがTシャツから透けてるけど水着と考えて気にするのをやめた。