Close to you



「ごめん、腹へった……」


 しょぼしょぼした顔で小さくなっている奥野くんに、「アンタって子は……」と奥野さんがため息まじりになにか言おうとする。



「奥野くん、うちでご飯食べていっちゃダメ?」



 私はそれをさえぎるように提案する。奥野くんへの、ささやかな恩返しのつもりだった。


 奥野くんは「へっ!?」とすっとんきょうな声を上げて固まってしまった……。


 なにかおかしなことを言ってしまっただろうか。



(ああ、そうか)



 うちのご飯は奥野さんが作ってくれたものしかない。それを身内である奥野くんも一緒に食べるとなると、契約違反になってしまうのかもしれない。


 案の定、奥野さんは「それもいけません」とすげなく却下してきた。



「未成年の男女が、保護者──」


「よし!」



 奥野さんがなにか言いかけたけど、奥野くんがそれをさえぎった。



「帰ろう!」