真弓が離れに戻ってからも、私はそこから起きあがれずにいた。


 真弓を、傷つけた。


 その事実が、私の身体全体にのしかかる。



「愛弓様、風邪を引きますよ」



 奥野さんが声をかけてきても、私はそのまま彼女に声をかけた。



「奥野さん」


「はい」


「私、余計なことをしちゃった」


「さようですか」


「奥野さんからもらった写真、真弓に見せたの」


「真弓様に……」


「そうすれば別れるだろうって、そう思った」



 奥野さんは、私のひとり言のような言葉を肯定も否定もせずに聞いていた。



「……私はあれから、あのグループが行った犯罪を調べ、証拠をまとめて警察に送りました」


「すごい、探偵みたい」



 あの手紙をもらってから、1日も経っていないはずだ。それでも奥野さんは短時間で調査して証拠まで集めた。


 実は、本業は家政婦じゃなくて探偵なのかも。


 私はフフッと笑って奥野さんを見上げる。