散りゆく姫



でもまだ夢のようだ。


信じられない…

もう一生見ることはできないと思っていたのに。


けれど私が琵琶の海を見間違えるはずがない。


これは正真正銘琵琶の海だ。


嬉しい…

こんな気持ちになったのは
何年ぶりだろう…

初も、
母上も笑っている

少なくともお父上が亡くなって以降
心の底から笑うことはなかったのに。


江が生まれて以来初めての事だった。