散りゆく姫



「えぇ!?

ここが姉上達がいつもお話している
近江の国ですか!?

そしてこれが琵琶の海で、

あれが竹生島…」


江は目をキラキラと輝かせ始めた。


「ここに来れたのも義父上のおかげですね!」


「「…」」


その江の声掛けに
私も初も何も返すことが出来なかった。


それを見かねて母上が


「そうね」


と呟き江を見て優しく微笑んだ。