母上と初と近江国を懐かしんでいた時、

話に入ってきたのは
小谷城落城の当時は赤ん坊だった末妹の江だ。


「いいじゃない。


江は名前にまで
近江の『江』と言う字も入っているのだから」


「む〜っ!


そう言う問題じゃないんです〜。」


あははははっ!


笑って過ごす、

ごく当たり前の親子の日常も、

そう長くは続かなかった。