こ、これで私も仕事につける……っ!

そう思いながら手を伸ばしたのに、千尋に止められて紐をつかめなかった。

「どうして止めるの?私は会社に入りたい———」

「じゃあ俺に就職祈願して」

……は?

「千尋、大丈夫?坂を勢いよく上りすぎたせいで頭でもおかしくなった?」

「頭はおかしくないから。早くして」

「……お金は取らないよね?」