千尋に見られてないところで恋愛運向上のお守りを買わなくちゃ……。

一人になれるタイミング、あるかなぁ……?

そんなことを考えながら、また、坂道を歩き始めた。

           +  +  +

「や、やっとついた……」

「俺は三十分前からいたけどな」

「ほんとになんで来たの……?……あっ!」

千尋の言葉に白い目を向けながら周りを見渡すと、お目当ての本坪鈴が見えて、駆け寄る。