きっと、僕はこのまま幸せに死ぬんだろうな


「いってらっしゃい」


笑顔で送り出してくれる母
父はいつも僕より先に家を出ている
普通の家庭
優しい父母
メッセージアプリのアイコンは家族と行った海の写真

なんて幸せだろう
このままパートナーを見つけて、子供に恵まれて暖かく過ごして行くのだろうな

「おはよーイオリー」
登校中に何人かが僕の周りに集まる
一軍とは言えないけれど、みんな明るくていい奴
いつも一番初めに僕の肩に手を回しながら挨拶を投げる樋口はみんなから「ぐっち」と呼ばれている。


「おはよー、めっちゃ寝癖」
頭を指さして笑うと
周りの何人かも吹き出し、
当人のぐっちは恥ずかしそうに頭を抑える

「うるせー水つけりゃあいいんだ」

「女子にくしでも借りれば?笑」

「お、しゅんナイスアイディア。芹沢に借りよーぜ」

「おーまーえーらー!いじるなっ!!」

僕に肩を回したまま耳を赤くして声を上げる
ぐっちは最近同じクラスの芹沢に恋をしているのだ。
芹沢とはあまり関わりがないから探ることもできないので見守るしかない。

「ぎゃぁあぁ笑ぐっちが怒った〜イオリ助けてッ」

「えぇ」

そういいながらしゅんが僕に飛びつく

「お前が悪いだろっ」

「あだっ」

そうやって談笑しながら登校するものだから学校に着くころには団子状態だ


「おはようございまーす」

チャイムが鳴る


青い1日が始まる