生き物の生が尽きる時を『死ぬ』
花が(しお)れて朽ちる時を『枯れる』

そう思っていた。

だから目の前の華が色をなくしたのを見て
「枯れている」と言ったんだ。


ただ「死んでいる」にしろ、「枯れている」
にしろ、人間に向かってそう表現するのはなんとも無神経だったなと思う。


仕方ないだろう。

まだ11歳だったんだ。

僕は、まだ花畑にいたんだから。

なのにあの華は、こう言った。



「せいかい」