Love square

 そんな私の声が届いたのか、はたまたただ単純にあきらめたのか、由宇斗も後ろの席の子と話し始めた。
 
 私の隣の席の子は渡辺奈那美(わたなべななみ)といった。

 ななとは早速仲良くなり、もう私にとって一人の大切な友人だ。

 初日からはじめましての子とも良好な関係を結べて、これからの学校生活がよくなる予感!

 もうすでに私は浮かれていた。

 

 朝の自由な時間も終わり入学式のため体育館に移動した。

 クラス順に並び、式が始まる。

 教頭先生の始まりの言葉の後、新入生代表の話になった。代表は入試で首席だった人がやるらしい。

「新入生代表の言葉。1年B組、宇佐美将梧!」

 先生の紹介を聞いて、びっくりした。

 まさか、将梧が首席だったとは……。昔からずば抜けて頭がいいことは知っていたけれど、ここまでだったとは思いもしなかった。これは課題を全部将梧に聞くしかないな。こうゆうときに幼馴染を利用しないと。いっそのこと全部やってくれないか、なんて、将梧に言ったら絶対冷たい目をされる。

 将梧のスピーチは格好良かった。伝えたいことが短くまとめられ、ステージに立って堂々と話す姿は輝いて見えた。

 将梧は眼鏡をかけているけれど、ひっそりとモテている。

 どうやら、堂々としている姿が良いらしく、優しい、と惚れる人もいるようだ。

 そして晴南もモテる。

 晴南はおしゃれが大好きで小柄だから、守りたいと思う男子も少なくはない。

 ……まぁ、意外と晴南、あの見た目でしっかりしているけどね。頭もいいし。

 こんな感じで、なぜか私の幼馴染はモテるのだ。

 ――ん?私はって?もちろんモテない。お節介やきなところがあるせいで女子からは頼られ、男子からは『母ちゃん!』なんて言われて、女としてみてもらえない。

 たまにみんなといると劣等感を抱くことがある。

 でも、それ以上に四人でいる時間が楽しいから、そんなの全然気にしない。



 入学式は将梧の話の後にも、いろいろな人の話があり、それも全部終わって、教室に帰ってきた。

 この後はクラスごとで、自由に使える時間らしい。私たちのクラスは、先生の自己紹介、クラスメートの自己紹介、あとは学校生活についての説明諸々を行い、高校初日は終わりとなった。



 朝来た面子で待ち合わせして一緒に帰る。私たちが高校生となった、という事実以外幼稚園のころと何ら変わりない。