財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す


「彼らは解雇する。黒沢さんの父親には私から直接事態を話した。君の父上の研究所に独断で彼がしたことも聞いている。君の父上は財閥のエレクトロニクス部門にいたときから知っているが、とても素晴らしい研究者だ。黒沢の父親は頭取から降ろされる。緊急の役員会が今日にも開かれて決まるはずだ。親子共々勝手なことをした懲罰が下る」

 辰巳さんが私を見て言った。

「香月。秘書課には隠さず説明する。今回の事件とは別に、彼女に言われて色々と加担していた秘書が数人いたようだったので、彼女達にも個別に面談中だ。今後のことは本人達に任せるが、おそらく全員辞めるだろう」

 本当に大事になってしまった。きっかけになったと自覚もある。責任を感じる。

「コンプライアンスとして秘書課の場合は別途決まりを作る必要がありそうだと新藤や辰巳とも話していた。それと、秘書課への入社後の配属も今までとは変えようと思っている。彼女を採用してあそこにおいた責任が私にもあるんだよ、香月さん」

「……総帥……」