財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す


 でも風が少し吹いている。ストールを預けてしまって私は後悔した。彼は上着を脱ぐと私にそっとかけてくれた。

「ありがとうございます。でも、崇さん寒くありませんか?ストール取りに行ってきますから大丈夫です。風邪をひかないでください」

「興奮していて……風邪なんてひかないよ」

「……え?」

「香月。もういいだろ?俺の気持ちは前から伝えている」

 隣で彼は海の方を向きながら、チラッとこちらを見る。忙しい時間の合間に、私のためにこのネックレスやドレスを準備してくれた。彼の気持ちはもちろん伝わっている。でも……。

「……本気なんですか?」

「海外からわざわざ戻って、すぐに支社まで迎えに行った俺に対して、本気かどうかを今更聞くのか?」

「それは以前から、秘書として考えて下さっていただけですよね……」