財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す


「ああ、おじさんとはチェスの最終戦が途中でね。よろしく伝えてくれ。おばさんにはパリの例のお土産そのうち送ると伝えておいて」

「香月さん、わかった?こいつは人たらしなんだよ。こうやって周りを……特に年配の連中に人気があるんだ。よく覚えておくといいよ」

 そうだったんだ。確かに年配の人から可愛がられているのは知っていたけどそういうことか。彼はそういえばお姉さんがいて、結婚して海外にお住まいなんだよね。年上の人に可愛がられるのは弟気質かもしれない。

「……特に、熟女にも注意してね」

 中田さんは小さい声で私の横で囁いた。

「余計なこと言うな!馬鹿め」

 崇さんが鷹也さんの頭を小突いた。鷹也さんは笑ってる。しょうがない人達。でも二人が親友なのは隠す必要がないんだろう、おおっぴらに笑って話している。手を振って別れた。

 パーティを抜け出して甲板に出た。懐かしい支社の方角がよく見えた。今日は空気が澄んでいるのか夜景が美しく見える。