「ああ、もちろん。先ほど秘書室へ顔を出す前に午前中はすっぽかしますと連絡したよ。いやあ、ぐちゃぐちゃと文句言われたからね。本部長は相当キレている。君は怒られるかもしれないな。何しろドタキャンだから。あとで秘書が連絡しますと言ってあるぞ」

「……嘘……」

 青くなっている私を楽しそうに見ている。ドSだ。元の彼に戻っている。信じられない、もう……。

「明後日も三時くらいから出ないといけないし、今日は夜まで予定を入れてもいいぞ。あ、それから明後日は必ず一緒に泊まること。命令だ、いいな」

 もう、言い返す元気もなかった。とりあえず、キャンセルしたスケジュールと関係者へのお詫びに私はあちこちへ出かけて頭を下げた。翌日もその余波で忙しかった。

 明後日はあっという間に来てしまった。