財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す


「あはは、崇さん、あなたなんてもうどうでもいいわ。ここへ入って初めてわかったけど、あなたは本当に変人よ。見かけはいいけど、冷たい人。変わり者だったあなたに取り入ろうとどれだけ努力したか、それも今思えば馬鹿馬鹿しかった。もっと素敵な男性は山ほどいたのに……」

 そして、私を見て捨て台詞を吐いた。

「香月さん。あなたも馬鹿ね。何も知らずに本当に……伸吾は最初から……」

「いい加減にしろ!」

 崇さんが話を厳しい怒声でさえぎった。辰巳さんが彼女を引きずって出て行った。やはり、そうだったんだ……伸吾のことを思い出すと胸が痛い。

「崇さんは私の知らないことをご存じですよね。教えて下さい」

 彼はため息をついて、私に近づいた。

「落ち着け。あとで詳しく説明してやるよ。斉藤にも聞かないといけないことがある」