財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す


「黒沢さんを別室へ。お前は忙しいだろう。秘書室長に話して警備のものに監視させろ」

「お願いです……崇さん、父には言わないで!」

 黒沢さんは髪を振り乱して崇さんにすがった。彼は彼女を振りほどいて、冷たく言った。

「それはこちらで判断することだ。君の父親が香月の父上の研究所にしたこともすでに報告が来ている」

「それは……父が私を心配してやったんです!」

「公私混同をするほど君が可愛いんだろう。でも君も、君の父親も榊原(ウチ)にはもはや必要ない。辰巳、連れていけ」

 辰巳さんは手を上げて崇さんを叩こうと暴れ出した彼女の腕をつかむと引っ張った。

「大きな声を出すと他の人に見られるぞ。これ以上はやめておいたほうがいい」

 冷たい崇さんの声に彼女の動きが止まった。そして高笑いを始めた。