財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す


 入り口で頭を下げた私を見て、座るように手で指図された。怯える私を、崇さんが背中を押すようにエスコートして先にソファーへ座らせようとする。

 私は頭を振って、崇さんから先に座ってくれるように彼の目を見たら、にっこりと私を見て腕をつかんで一緒に座ってしまう。

 そんな私達を総帥は目を見開いて驚いて見ている。辰巳さんは苦笑いしていた。

「……おい、崇。お前、彼女の事はそういうんじゃないと言っていたよな?」

「そうですね」

 少し沈黙したあと、彼は言った。

「ようやく彼女を側に置くことができるようになりましたからね、徐々に俺のやり方でやっていきます」

「お前のやり方?」

 総帥が怖い顔で言う。すると、辰巳さんが言った。

「総帥、お時間が……あと十分ほどです」

「……わかっている。崇お前……辰巳と組んで俺を裏切るんじゃないだろうな?」