突然悲鳴が聞こえた。
悲鳴といっても黄色い歓声みたいな、女子がアイドルを見て『キャー』とかいうあれだ。
しかも、その音は、だんだんと大きくなっていく。
――多分こっちに近づいているんだろうな。
黄色い悲鳴がだんだんと大きくなってきたころ、悲鳴の元凶である彼は私たちの教室の前で止まった。
彼が誰なのか気になってドアのほうを見ると、朝出会ったイケメンさんがいた。
なぜここの教室に来たのか不思議に思っていたら、
「どうしてここに……」
という心の声が漏れてしまっていた。
その声にイケメンさんがいてハイテンションな女子が耳ざとく気づき、答えた。
「もしかして、彼のこと知っているの?」
「あっ……」
私が話そうとしても、その子は機関銃みたいに早口で話し続ける。
「あの人はね、この高校の生徒会長なの。上野瑛太っていうんだけど、もう格好良くて。イケメンでしょ、スタイルいいでしょ、顔小さいでしょ、それで――」
その子が話していることの、ほとんどは耳に入ってこなかった。
私はそれよりも気になることがあった。
知っている名前だった。いわれてみれば似ているかもしれない。でもわからない。別人の可能性だってある。同姓同名なだけの……。
「上野瑛太――」
私がつぶやいた名前は、突然降り出した雨と教室の騒がしい音にかき消された。
悲鳴といっても黄色い歓声みたいな、女子がアイドルを見て『キャー』とかいうあれだ。
しかも、その音は、だんだんと大きくなっていく。
――多分こっちに近づいているんだろうな。
黄色い悲鳴がだんだんと大きくなってきたころ、悲鳴の元凶である彼は私たちの教室の前で止まった。
彼が誰なのか気になってドアのほうを見ると、朝出会ったイケメンさんがいた。
なぜここの教室に来たのか不思議に思っていたら、
「どうしてここに……」
という心の声が漏れてしまっていた。
その声にイケメンさんがいてハイテンションな女子が耳ざとく気づき、答えた。
「もしかして、彼のこと知っているの?」
「あっ……」
私が話そうとしても、その子は機関銃みたいに早口で話し続ける。
「あの人はね、この高校の生徒会長なの。上野瑛太っていうんだけど、もう格好良くて。イケメンでしょ、スタイルいいでしょ、顔小さいでしょ、それで――」
その子が話していることの、ほとんどは耳に入ってこなかった。
私はそれよりも気になることがあった。
知っている名前だった。いわれてみれば似ているかもしれない。でもわからない。別人の可能性だってある。同姓同名なだけの……。
「上野瑛太――」
私がつぶやいた名前は、突然降り出した雨と教室の騒がしい音にかき消された。

