まずは外から。
ありえないほど広くてきれいな校庭を歩き、どこかの豪邸の庭をそのまま入れたかのような場所でひとまず休憩。
一息ついてから動き出し、庭らしきものを一通り見て校内へ入ろうとする。
しかし、庭から出たのはいいものの、どうやって校内へ行くか、そもそもここは最初庭に入ろうとした道なのかもわからない。
……つまり迷った。どうしようか。もう一回庭へ戻るか?でも迷子になる自信がある。よし、ここは頑張って歩き回ろう。いつかたどり着くはず。
自分を鼓舞して歩き出そうとした瞬間、誰かとぶつかった。
「ごめん、大丈夫?」
軽く転んで地面に手をついた状態から声がしたほうを見上げると背が高くて顔が整った、いわゆるイケメンと分類される人が私に手を伸ばしていた。
思わず手を握ると、その人は力強く引っ張って私を起こし、微笑みながら私に話しかけてきた。
「こんなところで、どうしたの?」
私は今自分が置かれている状況を恥ずかしく思いながらも、もしかしたらという期待を込めて聞いた。
「あの……、私、迷子になっちゃって。職員室に行きたいんですけど」
そうしたらイケメンさんは私の期待通り、
「案内してあげる」
と言ってくれた。
イケメンさんは一回も迷わずに私を職員室まで案内してくれた。
案内してくれている途中は私たちはほとんど会話をしなかったけれど、イケメンさんの隣は、どこか心地よかった。
職員室まで着き、イケメンさんにお礼を言って先生が来るまで待っていると、イケメンさんは隣の部屋に入っていった。
入った部屋が気になって上を見上げると、『生徒会室』と書いてあった。
――きっとイケメンさんは生徒会役員に違いない。
イケメンさんが去ってから数分後、私は先生とともに教室の前まで来ていた。
先生の合図で教室に入り、自己紹介をする。
「蒼井彩葉です。よろしくお願いします」
先生に指定された席に座り、朝のホームルームが終わる。
これが小学校とか中学校とかだったら、にぎやかな休み時間だったはずだ。
さすがに高校生にもなって好奇心だけで転校生に話しかけてくる人はいなかった。仲いい子と集まって陰でこそこそ。初日から私は一人だった。
ありえないほど広くてきれいな校庭を歩き、どこかの豪邸の庭をそのまま入れたかのような場所でひとまず休憩。
一息ついてから動き出し、庭らしきものを一通り見て校内へ入ろうとする。
しかし、庭から出たのはいいものの、どうやって校内へ行くか、そもそもここは最初庭に入ろうとした道なのかもわからない。
……つまり迷った。どうしようか。もう一回庭へ戻るか?でも迷子になる自信がある。よし、ここは頑張って歩き回ろう。いつかたどり着くはず。
自分を鼓舞して歩き出そうとした瞬間、誰かとぶつかった。
「ごめん、大丈夫?」
軽く転んで地面に手をついた状態から声がしたほうを見上げると背が高くて顔が整った、いわゆるイケメンと分類される人が私に手を伸ばしていた。
思わず手を握ると、その人は力強く引っ張って私を起こし、微笑みながら私に話しかけてきた。
「こんなところで、どうしたの?」
私は今自分が置かれている状況を恥ずかしく思いながらも、もしかしたらという期待を込めて聞いた。
「あの……、私、迷子になっちゃって。職員室に行きたいんですけど」
そうしたらイケメンさんは私の期待通り、
「案内してあげる」
と言ってくれた。
イケメンさんは一回も迷わずに私を職員室まで案内してくれた。
案内してくれている途中は私たちはほとんど会話をしなかったけれど、イケメンさんの隣は、どこか心地よかった。
職員室まで着き、イケメンさんにお礼を言って先生が来るまで待っていると、イケメンさんは隣の部屋に入っていった。
入った部屋が気になって上を見上げると、『生徒会室』と書いてあった。
――きっとイケメンさんは生徒会役員に違いない。
イケメンさんが去ってから数分後、私は先生とともに教室の前まで来ていた。
先生の合図で教室に入り、自己紹介をする。
「蒼井彩葉です。よろしくお願いします」
先生に指定された席に座り、朝のホームルームが終わる。
これが小学校とか中学校とかだったら、にぎやかな休み時間だったはずだ。
さすがに高校生にもなって好奇心だけで転校生に話しかけてくる人はいなかった。仲いい子と集まって陰でこそこそ。初日から私は一人だった。