私が否定する前に、瑛太君が言ってしまった。
「そうなんです。昔からの幼馴染なんですよ」
「そうか。それなら蒼井に体育祭について詳しく教えてやってくれないか?こいつ、俺がクラスの前で話しているときもボーっとしてたから」
「なっ――」
先生の言葉がいろいろと衝撃的過ぎて止めに入ろうとすると、
「分かりました」
瑛太君が勝手に言っていた……。
先生は『頼むわ』とか言いながら職員室に戻っていった。
「よし、彩葉。生徒会室おいで」
「え、でも……。私生徒会役員じゃないから、」
そう言おうとすると瑛太君の人差し指が私の口元に当てられ、続きを言うのを封じられた。
「今回は特別。だから、おいで」
瑛太君の王子様スマイルにかなうはずもなく、私はいつの間にか生徒会室にいた。
生徒会室は豪華だった。正面には生徒会長用の大きい机といす。木でできていて、アンティーク調に物が統一されている。
生徒会長の机の脇には副会長と書記、会計の机。これらは生徒会長用の机よりは大きくないけれど、それでも充分かっこいい。
そして、扉側に長い机。あとから瑛太君に教えてもらったことだけれど、これは来客用とか生徒会役員用の机らしい。
私が生徒会室に入った時、見慣れない人が1人副会長の席に座っていた。
瑛太君はその人の存在に気づくと、
「おっ、戒。お前、居たのか」
瑛太君はその人に近づき、二人で話し始めた。
話が盛り上がってきたところで、副会長らしき人がようやく私の存在に気づいた。
「えーと、それでどちらさま?」
「あー、こいつね。蒼井彩葉」
私の代わりに瑛太君が答える。
「彩葉……って、お前の幼馴染の⁉」
「ん、そう」
なんで幼馴染ってバレているんだ。
そんなことより、早く自分で自己紹介したほうがいいのかもしれない。

