いつか消えてしまう君と、ずっと消えない恋をした。



 そして放課後。

 今日1日で仲良くなったしょうちゃんに『一緒に帰ろう』と誘われたけれど、それを丁重に断って、私は今職員室の前にいる。

 『ここで待っとけ』なんて先生が言ったくせに全然出てこない。

 きっと、他の先生に捕まっているんだろうな。

 先生が来るまでどうすることも出来ないから大人しくそこで待ち続けていると、足音が聞こえてきた。

 先生かな、と思って顔を上げると、そこにいたのは瑛太君だった。

 予想とは違う人で、さらには瑛太君だから思わず固まってしまった。何を言えばいいのか分からなくて口をパクパクしていると、瑛太君が笑って話しかけてきた。

「何金魚みたいに口をパクパクしているの」

「あっ、えっと……」

 瑛太君は笑いながら、私の頬を片手でムギュっと掴んできた。そしてあろうことか、

「彩葉、可愛い」

 なんて言うもんだから、私の顔はボボボっと朱色に染まっていく。

「はなひて(離して)」

「ごめん、ごめん。でも可愛かったよ」

 そう言って、私の顔を覗き込んでくる。

 私は慌てて顔をそらした。本当に心臓に悪い。

 私の顔もだいぶ元の色に戻り始めた時、ようやく先生がやってきた。

「悪い、ちょっと仕事できたから大事な紙だけ渡しとくな。それ読めば大体のこと分かるはずだから」

 そう言って紙が手渡された。

 そこでようやく瑛太君の存在に気づいたみたい。

「お前ら、知り合いか?」

「違――」