たとえ、わたしと御影さんの間に愛がないとしてもこの結婚を認めてもらえた気がして嬉しかったんだ。
「ちゃんと幸せにしてもらいなよ。今まで苦労ばっかりしてきたんだから」
「うん……ありがとう」
幸せに、か。
わたしが御影さんから愛情を注いでもらえることはない。
昨日と今朝のキスだって、好きっていう感情があったわけじゃないだろうし。
きっと、結婚したから仕方なくだよ。
わかっているはずなのに胸がぎゅっと締め付けられて苦しくなる。
わたしはそれに気づかないフリをした。
「結婚式とかしないの?」
「し、しないよ……!あ、そうだ!1週間後にパーティーがあるみたいなんだけど、どうしよう……」
「そんなのニコニコしてれば終わるって。優生は可愛いんだし」
「御影さんと同じこと言わないでよ~~……」
可愛いとまでは言われてないけど、ニコニコしてればいいって言っていた。
正直、不安しかない。
「大丈夫だってば」



