そしてその手は学校に着くまで離されることはなく、わたしは遅刻せずに無事に学校までたどり着くことができた。
ただ、ピカピカの黒光りした車で行くことになり、みんなから好奇な目で見られたのは言うまでもない。
◇◆◇
「ねえ!優生!どういうこと!?今朝のは一体誰!?あんたまさか危ないことに手出してるんじゃないでしょうね!?」
「ちょ、ちょっと落ち着いて。つぼみちゃん!」
学校に着いて、休憩時間になった瞬間、わたしの唯一の友達であるつぼみちゃんがすごい勢いでやってきた。
中学の頃から仲良くしてくれているつぼみちゃんはわたしがどんなことがあって借金があるのかも知っている。
みんなは離れていったのにつぼみちゃんだけは違ったんだ。
つぼみちゃんはいつもわたしの心配をしてくれる大事な友達。
「これが落ち着ける状況ですか……!?相手の顔は一切見えなかったって噂で聞いたけど!」
「あー、あれはね、顔を不特定多数に見られるのがよくないんだって」



