いつまでも納得していない顔を浮かべていたのはわたしだけど、パーティーってなに!?



「1週間後の土曜日、午後19時から」


「すぐじゃないですか!」



どうしよう。


パーティーなんて小学生ぶりだからどうしたらいいのかわからないし、あの頃は礼儀作法なんてきっちりとできなくても何とかなったけど、今は違う。

もう18歳なんだから礼儀作法がなってないときっと目立ってしまう。

いきなりパーティーなんて無理だよ。笑いものになるだけ。



「別にニコニコしてるだけでいいから。まあ、頑張って。元令嬢さん」



わたしの肩をポンポンと叩いて、面白いものでも見つけたみたいに笑った御影さん。


何が面白いんだか。最悪だ。
この、悪魔め!!


わたしは思わず、きっと御影さんを睨んだ。

すると、海の底みたいに深い漆黒と目が合って、だらり、と背中に冷たい汗が伝う。


うぅ、怖い。怖いよ。
ここは一旦、逃げよう。退散だ!



「し、失礼します……!」


わたしは御影さんから逃げるように部屋から出た。

はあ、これからわたしはどうなっちゃうんだろう。


借金返済に釣られて結婚しちゃったけど、これで本当によかったのかな。
御影さんの人生までめちゃくちゃにしてないかな?


そんな不安に駆られているのに御影さんに触れられた場所がまだ熱を持っているのか、じんじんと熱かった。