今宵、甘い影に誘われて



意外と普通の人なのかな?



「でも、」


「俺が今まで生きてきて興味を持ったのはお前とあともう一人だけ。それ以外のモノや人間に興味はない」



ふっ、と短く笑いながら言う彼。

わたしには到底わかるはずもない重荷を幼い頃から背負って生きてきたのかもしれない。



「……でもなんでわたしなんですか?」



わたしなんてどこにでもいるような庶民で、顔も可愛くなければスタイルがいいわけでもない。

それなのにどうしてわたしなんかを。

あのお店にはもっと綺麗で可愛い子がたくさんいたのに。



「んー、内緒」



教えてくれるわけないか。
まだ出会って1日しか経ってないんだもん。



「ご、ご両親はわたしなんかでいいとおっしゃってくれてるんですか?ご挨拶もまだですし……」



御影さんは良くてもご両親が黙ってないんじゃ……?

わたしが親だったら、自分みたいなやつがお嫁さんですって言われたらいやだもん。