絶対に、御影さんにもこの音は伝わっちゃってる。
まさかほんとにキスされるなんて思ってなかったから動揺で何も言えなくなる。
「次ちゃんとおねだりできたら、もっとイイコトしてあげる」
わたしの唇を親指ですぅっとなぞって、色っぽく微笑んだ。
その刹那、全身を流れる血が沸騰したみたいに熱くなって、体温が一気に上昇していく。
あまりの色気に鼻血が出てしまいそう。
この結婚に愛がないってわかってるのに。
好きになっちゃダメだってわかってるのに。
このままだと御影さんのことを好きになってしまいそうで怖い。
「わ、わたし……!明日は学校とバイトがあるので……!」
途切れそうになった理性を必死に繋ぎ止めてわたしは起き上がった。
「バイトはもう行かなくていい」
起き上がったわたしに何をするでもなく、ソファへと腰を下ろした御影さんがさらりと言った。
「え?」



