そんな仕草すら、色っぽくて今のわたしには刺激が強かった。
なんでだろう。
わたし、彼氏もいたことないから手を繋ぐこともハグもキスもそれ以上もしたことないのに。
それなのにどうして、今……キスしてほしいって思ってるの。
「き……」
「き?」
「き、す……」
「ん?キスが何?」
『キスしてほしい』と言いたいのに恥ずかしくてなかなか勇気がでない。
御影さんは絶対にわたしが言いたいことをもうわかってる。
わかってるのに、こうやってわからないフリをしてるんだ。
ほんと、意地悪な人。
でも、噂で聞いていたような冷たい人ではなさそうでよかった。
「な、何でもないです……」
やっぱり、勇気が出なかった。
好きでもない人とキスとか嫌かなって思ったら言えなかった。
それなのに。
―――わたしの唇にちゅ、と柔らかいものが触れた。
「今日だけ特別、な」
「……っ」
ドッドッドッ、と鼓動が早鐘を打ち始める。



