今宵、甘い影に誘われて



仕事が忙しい御影さんは帰宅が遅くなることが多いそうで寝室は別々にしてある、と部屋の中を紹介してくれた時に言っていた。


それなのにどうして御影さんの部屋に?



「んー、それは夜になってからのお楽しみってことで。じゃあ、俺は仕事に行ってくるから好きに過ごしてて」



御影さんはソファから立ち上がると、机に置いてあった婚姻届けを手に取り、そのまま誰かに電話をしながら仕事に行ってしまった。

一人残された部屋のソファでごろんと寝転がる。


本当に結婚したんだ。
いや、あれは提出しないかもしれない。

御影さんは書いてなかったわけだし。

裏で違う人と結婚してることになってたらどうしよう。


なんの疑いもなく、書いてしまったけれどあまりにも話が出来すぎていて今更ながら不安になってきた。


これは夢なのかもしれない。


ていうか、わたし御影さんのご両親に挨拶もせずに結婚しちゃったけど、よかったのかな?