車を走らせて15分程が経った頃、御影様が車を駐車場に停めるとそう言った。
着いたのは見上げるほど大きなマンション。
エントランスにはシャンデリアがキラキラと光を放っていてまるで異世界に来た気分になる。
「す、すごい……」
ドラマでしか見たことのない景色に思わず、驚きの声が洩れた。
「ほら、置いてくよ」
慣れた手つきでエレベーターに乗ると、スーツの内ポケットから何やらカードを取り出し、それをかざしてから60のボタンを押した。
ここのエレベーターでは専用のカードをかざしてからじゃないとボタンを押しても反応しない仕組みになっているみたい。
またしてもお金持ちの世界ってすごいと感心してしまう。
「セキュリティしっかりしてないと危ないだろ」
わたしの気持ちを察してくれたのか御影様が興味なんてなさそうに抑揚のない声で言った。
「確かにそうですね」



