死に損ないのわたしがどれだけ嘆いても喚いても借金返済は待ってはくれないからわたしは今日も自分を奮い立たせて必死で働いているというわけ。


借金なんてなかったらわたしも放課後にクラスメイトと一緒に遊んだりできたのかなあ、なんてタラレバを思いながらせっせと手を動かす。


小さい頃はこんなことになるなんて思っていなかったから大きくなったら好きな人ができて、大好きな人と愛し愛されて生きていくのだと思っていた。


手を繋いで、抱き締め合って、甘いキスをして、とろけるような夜を重ねて。


密かに憧れていたのにこんな生活じゃそんなのは夢のまた夢の話。


でも、こんな人生でも運はいい方なんだと思う。
だって、今も毎日ヒーヒー言いながらも生活できているから。

まあ、それもこれも全部ここのオーナーであるママのおかげなんだけど。

飲食店などのバイトよりも給料が良いこの店で働き始めて早2年。