午後16時。


学校が終わってすぐにマシな服装に着替えて正座でインターフォンが鳴るのを待つ。

あれから、家に着くなり急いで引越しの準備をした。


引越しの準備と言っても別に大した荷物はないので、キャリーケース1個分という引越しにしては少なすぎる荷物だけ。

お金がないので、家具なんてリサイクルショップで値下げされていたから買った白い机のみ。


あまりにも殺風景なこの部屋とも今日でお別れか。

とくに思い出も何にもないこの部屋。
だからなのか別に寂しくはない。

でも、本当に御影様は来るのかな。


昨日から何度も考えたけれど、きっと彼は来るとなぜかわたしは信じていて、準備をしてしまった。

だって、御影様は嘘でこんな面倒なことをするような人でも、人をからかうような人でもないと思ったから。


―――ピンポーン。


突然鳴り響いたインターフォンの音にビクッと体が跳ねた。


ほんとに来てくれた……?