それでもそこに青春なんてものはなくて……毎日同じ日々の繰り返しで何のために生きているのかわからなくなってきた。
何か御影様は言ってくるのかと思ったけれど、彼は何も言わなかった。
悪いことに誘われるとかじゃなくてよかった……。
というか、さっきわたしのこと庇ってくれたのに今更そんなことしないよね。
噂とは違って、優しいところもあるのかもしれない。
なんて、もうわたしには関係のないことだけど。
最後の破片を拾って、たまたまエプロンに入っていた雑巾で床を拭く。
ちゃんとお礼言ってから去ろう。
ずっと落としていた視線を上げて、隣を真っ直ぐ見る。
すると、あの頃みた時よりの深みの増した漆黒と目が合った。
ばくんばくん、と鼓動がうるさく高鳴っている。
これが果たして恐怖を感じてドキドキしているのか、彼の整った容姿にドキドキしているのかわからない。



