御影家の当主の証であるクリスタルリングは当主になったものはもちろん、その当主の妻になった人にも同じものが贈られるのだ、と聞いたことがある。
そんな大事なものをわたしに……?
「でも、」
「俺はもーお前のもんだよ」
わたしの指にはめた指輪と自分の指輪を交互に眺めながら柔らかく微笑んだ。
「それってどういう……」
「すげー好きってこと」
「っ、」
わたしは夢でも見てるのかな?
いま、琉世さんが好きって……。
信じられない、都合のいい夢かな?
「で、優生は俺のことどー思ってんの」
とろけるような瞳がわたしに問いかけてくる。
わたしの気持ちなんてもうとっくに知ってるくせに。
「……好き、です」
「うん、知ってた」
その言葉が耳に届くとほぼ同時にわたしの唇は奪われた。
―――ちなみに指輪を贈る意味は“永遠”なんだって
身体がベッドにゆっくり沈んでいく中で低く甘い声がわたしの耳元でそっと囁いた。



