わたしは思い出したように手をポンっと叩いた。
そういえば、さっき時間を見たときに通知が来てたような気がする。
彼は名前を下の名前で登録しているから一瞬誰だかわからなかった。
「真田?」
いつもとは違う苛立ちを含んだその声にびくりと肩が跳ねる。
えっと……なんか怒ってる?
「あの、今日助けてもらって。そのお礼に連絡先を交換しまして……」
毎日お仕事で疲れて帰ってきてるのに家で先に寝てたらそりゃあ腹も立つよね。
うぅ、なんでわたしは寝ちゃったんだろう。
「ふーん。他の男の相手なんてしないで俺の相手しろよ」
手を掴み、グイっと引き寄せられ、椅子から立ち上がらされたかと思えば、そのままひょいっと持ち上げられてお姫様だっこをされた。
「ちょっと、おろして……!」
ただでさえ、重いのに。
なんでお姫様抱っこなんて!
「無理」
返ってきたのはたった一言だけ。



