わたしが出来損ないなばかりに。
「そう?俺は朝見さん、いい子だと思うけど」
「え?」
「そうだ。自己紹介がまだだったね。俺は真田晴哉。よろしくね」
真田……晴哉……。
どこかで聞いたことのある名前だなあ。
なんて、頭の片隅で考えてやっと思い出した。
つぼみちゃんの口から結構名前が出てくる“学園のプリンス”だ。
真田グループの御曹司なのに優しくて紳士的で噂になっているとつぼみちゃんが言っていた。
「どうかした?」
きょとん、とした表情の彼を見て慌てて「朝見優生です。よろしくお願いします」と頭を下げた。
危ない、危ない。
名乗らないのを不思議に思われるところだった。
学校では朝見の姓で生活している。
いきなり“御影“と名乗るにはちょっと勇気がいるから。
「こちらこそ。それはそうとさっきは大丈夫だった?」
拾ってくれたノートをわたしに渡しながら心配そうに首を傾げる真田くん。



