「可愛い声で鳴けんだから、もっと聞かせて」
とろけてしまうくらい極上に甘い笑顔を向けられれば、もう抗うことなんてできない。
このまま、ずっとこの時間に溺れていたい。
だって、わたしは後には引けないくらい御影さんのことが好きだから。
◇◆◇
御影さんと一線を越えてしまってから数日が経った。
何か変わったことと言えば、御影さんに敬語を使わなくなったことくらいで他は何も変わりない。
抱かれたのは事実でも「好き」と言われたわけじゃないし、わたしも言ってない。
最近は仕事が忙しいのか夜遅くに帰ってくることが増えて、部屋でのお喋りもなくなった。
彼が帰ってくる頃にはもうわたしは寝てしまっているから。
「もー、優生ってばなんて顔してんのよ」
「わたしって暇つぶしにはもってこいなんだろうなあ」
休み時間に頬杖を突きながらぼそっと呟くと、前に座っているつぼみちゃんが呆れたように笑った。